【マネーの牛 vol.5】酪農家のための決算書講座!③貸借対照表×損益計算書の財務分析講座
前回までで貸借対照表と損益計算書の読み方が分かったね!
実は、2つを組み合わせることでもっと面白いことが分かるんだ!
みんなで、“持続可能性の高い酪農”を知ろう!
登場人物

【けんけん】
- 酪農家業4代目
- 中小企業診断士
濃いめのコーヒーにジャージー牛乳を入れたカフェオレが大好き

【マネーちゃん】
- IT系会社員
- 簿記勉強中
いつか牧場経営するのが夢
いくら使って、いくら価値を出せた? “総資本経常利益率”!
損益計算書は、売上と経費の分解って感じ!
実は、その2つを組み合わせるともっと面白いことが分かるよ
たとえば、規模の大きい牧場と小さい牧場があったとする

売上高経常利益率=経常利益÷売上
牧場A 200万円÷1億円=2.00%
牧場B 100万円÷3,000万円=3.33%(小数点以下第三位切り捨て)
ここで出番なのが――総資本経常利益率!
総資本経常利益率=経常利益 ÷ 総資産(総資本)
“持っている全部の資産を使って、どれだけ稼いだか”を見る効率指標だよ
計算してみると――
牧場A:経常利益200万円 ÷ 総資産1億円 = 総資本経常利益率 2.00 %
牧場B:経常利益100万円 ÷ 総資産8,000万円 = 総資本経常利益率 1.25%
つまり牧場Aの方が効率よく稼げてるってこと⁉
牧場Bは大きなお金を使っているのに、苦戦していると分かるね
規模の大きさ関係なく、自分のところ の牧場が、他の牧場に比べて良いかどうか分かりやすい!
持っているものを有効活用できているかな? “有形固定資産回転率”!

資産は流動資産と固定資産に分けられます。さらに、固定資産は、形のある“土地”や“建物”、“重機”などの「有形固定資産」と、形のないソフトウェアなど「無形固定資産」に分けられます。
牛舎・搾乳機・トラクターなど重たい装備をどれだけ売上に結びつけたか
たとえば2つの牧場があったとしよう
例:2つの牧場
・牧場A:売上高 1億円、有形固定資産 8,000万円
・牧場B:売上高 6,000万円、有形固定資産 2,500万円
有形固定資産回転率=売上高 ÷ 有形固定資産
・牧場A:1億円 ÷ 8,000万円 = 1.25回
・牧場B:6,000万円 ÷ 2,500万円 = 2.40回
牧場Aはたくさんの装備があるけど、活かしきれていないのかも
有形固定資産回転率が低い場合、使われていない資産が眠っている可能性もある
農場にある機器がどんな調子か、年1回は洗いだしたいね!
これも、効率を分析する考え方だね
総仕上げ! “総資本経常利益率”を上げるにはどうしたらいい?
……あれ?
総資産を減らすってどういうことだろ
総資本経常利益率を改善するには、ちょっとややこしいけど、2つの要素に分解することだ大事なんだ!
この式を見て!
総資本経常利益率 = 売上高経常利益率 × 総資産回転率
…そうか!
“売上高”を約分して消せるからだ!
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数字は同じでも、中身を見ると課題は全く違うんだよ
例:
・牧場A:経常利益率 8% × 総資産回転率 0.5回 =総資本経常利益率4%
(利益は濃いけど、資産が回っていない)
・牧場B:経常利益率 4% × 総資産回転率 1.0回 =総資本経常利益率 4%
(利益は薄いけど、資産がよく回っている)
だから、『遊んでいる設備はないかな?』という対策が必要
だから、『経費がかかりすぎていないか? 』っていう対策になるんだね!
ただ『総資本経常利益率を上げよう』と考えるんじゃなくて、『利益率』か『効率性』のどっちが悪いのか、分解して弱点を克服していくのが、強い酪農経営への近道なんだ!
まとめ
次は何を勉強するの?
実は、この間お客様に“SNSなどWebでどんな発信をしている企業が好きですか?”っていうアンケートをやってみたんだ
その結果がとても興味深くて……そのお話をするよ!
決算書の数字、読み込むと現場の状況が見えてくるね!
牛の息遣い、牧場の風、酪農家と汗と涙、すべてが詰まってるんだ!
もし、酪農家と生活者みんなが、経営の健康状態まで理解して対話できたら……。
そんな素晴らしい未来を夢見て記事を書き続けるから、これからもよろしくね!
次回『【独自調査】ミルクスイーツ好き100人に聞いた! 「美味しい」の次に求めている意外なモノとは?』
お楽しみに!




