【削蹄シリーズ 第3回】削蹄、いつやる?牛もお財布も、あとでツラくならない話

削蹄シリーズ第3回 足元ケアは、計画的に 牛もお財布も守る話

はい、みなさん、こんにちはー!「milushi みるし」編集長の自称「酪農リスペクター」、ミルカウ姐です!🐄✨

さて今回はシリーズ連載の第3回。

ここまでの連載では、削蹄(さくてい)のお仕事について、「いい削蹄とは?」や現場の削蹄師さんのお話しをお送りしてきました。

🌐【削蹄シリーズ 第1回 前編】牛の健康には“足元”がとっても大事!牛の「ひづめ」のネイリスト=削蹄(さくてい)師!

🌐【削蹄シリーズ 第1回 後編】「切りすぎない」「怖がらせない」削蹄がアニマルウェルフェアにつながる理由

🌐【削蹄シリーズ 第2回】削蹄師はどれくらいいる?地域差は?「足元を守る人」の今をのぞいてみた

今回は、とくに酪農家さんに読んでいただきたいテーマになっております!

その名も—「削蹄、いつやる問題」。

牛の「ひづめ」は急激に伸びるものではないので、毎日牛に接しているとその変化はゆるやか。

「ちょっと様子がおかしいかな」と気付いたときには、「ひづめが伸びすぎていた」ということも。

この記事の牛の行動と“数字”の話を読んで、「よし計画しよっ」って思ってもらえたら、うれしいです。

まずはゆるっと読んでみてくれたらいいし~

さぁ今回も、公益社団法人 日本装削蹄(そうさくてい)協会(以下、日本装削蹄協会)の副会長でありながら、いまも現場で削蹄している削蹄師の阿部さんと、認定研修部長で獣医師の小野さんに、削蹄師の活躍状況を伺いました!

日本装削蹄協会 副会長 阿部 優さん
日本装削蹄協会 副会長 阿部 優さん
日本装削蹄協会 認定研修部長 小野 圭一さん
日本装削蹄協会 認定研修部長 小野 圭一さん

削蹄を後回しにすると、牛の“いつもの毎日”がつらくなる

削蹄のタイミングが遅れて、「ひづめ」が伸びすぎたり、割れたり、痛みが出たりすると、牛の行動はどうなってしまうでしょうか?

  • 歩くのがつらくて、動かなくなる
  • 立つのがイヤで、エサを食べる量が減る
  • 同じ理由で、水もあまり飲まなくなる
  • 寝起きのときに足に体重をかけたくなくて、横になっている時間が増える

……と、牛がじんわり困っている暮らし方をするようになります。 

牛はあしが痛いと生活がしにくくなる

エサも水も十分に取れなくなるので、生産するミルクの量が徐々に減っていったり、妊娠がうまく行かなかったりと、じわじわと酪農経営に良くない方向に進んでしまいます。

ミルクの生産は酪農家さんの収入源。子牛は将来ミルクを生産してくれる大事な存在。

つまり、「足元の不調は、収入減につながりやすい」というわけです。

「削蹄、減らせば得じゃない?」からの、治療費10倍⁉

ここで阿部さんから伺ったお話しが、なかなか衝撃的でした。

日本装削蹄協会 副会長 阿部 優さん
阿部さん
脚の病気の治療費が、削蹄費用の約10倍になるケースもあるんだよ


……10倍。

……10倍⁉

大事なことなので2回繰り返しました。

削蹄の回数を減らして、一時的に出費を抑えられたとしても、そのせいで脚の病気が重症になり治療が必要になったら、トータルでは、むしろ出費が増えてしまう可能性があるんです。

日本装削蹄協会 副会長 阿部 優さん
阿部さん
削蹄を節約したつもりが、治療費でドーン

出費を抑えたつもりが、あとになって10倍に⁉

これが、削蹄師さんたちが「削蹄はコストじゃなく投資」と言う理由。

ミルシも、ネイルケアのときに病気の芽を見つけてもらえたほうがうれしいし

削蹄は4か月が目安。でも正解は「この牧場に合ってるか」

じゃあ、削蹄はどれくらいの頻度がいいのでしょうか?

日本装削蹄協会 副会長 阿部 優さん
阿部さん
フリーストールやフリーバーンなど、過ごす場所が管理されているところでは、「4か月に1回」が、ひとつの目安かな

以前は「6か月」と言われることもありましたが、最近はエサの栄養価が高く、「ひづめ」が伸びやすい傾向があるため、頻度を見直ししたい、というお話でした。

ただし、ここで大事なのが、「一律で決めないこと」だそう。

  • 床の材質
  • 運動量
  • 飼養密度
  • 季節

牛が暮らす環境やごはんが異なれば、「ひづめ」の伸び方も違います。

だからこそ、

日本装削蹄協会 副会長 阿部 優さん
阿部さん
削蹄のサイクルは、牧場と削蹄師が相談しながら決めていくのが一番なんです

削蹄師さんとコミュニケーションを取りながら、 “この牧場に合ったペース”を一緒に探すこと。 

ここがいちばん重要なポイントなのかもしれません。

まとめ:足元を後回しにしない。それがいちばん

牛も、お財布も、あとでツラくならないためには…

牧場が削蹄師さんに牛の状態を共有して、「次はいつ削蹄しようか?」を一緒に決めること。

「今は困っていないから」ではなく、「困っていない状態を保つために」削蹄を計画する。

それがいちばんな気がします!

からだを固定されるのはちょっと怖いけど、いつもネイルケアしてくれて感謝だし!

次回:チームで力を合わせる削蹄作業!ミルカウ姐の現場レポート

シリーズ第3回の今回は、日本装削協会さんのお話しをもとに、ウシとお財布を守る削蹄計画についてお送りしました!

次回はいよいよ、削蹄の現場にミルカウ姐が潜入です!

1人親方だけじゃない!チームで力を合わせる削蹄師さん親子に突撃インタビューしてきましたので、お楽しみに!

どうぞお楽しみに!

それではみなさんご一緒に~!

Good Luck Know(ぐっどらくのう~)!♬👋


【取材協力・監修】
🌐公益社団法人 日本装削蹄協会(https://farriers.or.jp/)

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