【牧場訪問】元先生が酪農家に転身!?“牛さんと生きる”加茂牧場のリアルが熱すぎた

「農業って、なんか地味で大変そう…」

「牛さんはかわいいけど、実際の現場ってキツそー」

そんなふうに思ってる人、多いと思うんです。

千葉県八千代市にある加茂牧場で出会った“元先生”の太郎さんは、そんなイメージをガラッと変えてくれるんです。

牛さんと人と地域が「ともに生きる」酪農は、やさしくて、かっこいい

今回、編集長ミルカウ姐が3年越しの想いを胸に加茂牧場を訪問。

牛さんたちの暮らし酪農のリアル、そして太郎さんの“人と未来を想う経営”に、感動とリスペクトが止まらなかった1日を、たっぷりお届けします🐄✨

  1. 憧れの人に、ようやく会えた日
  2. 地域環境で資源循環する、サステナブル酪農
  3. 教員から酪農家へ。“育てる”という共通点
  4. 酪農を“続けられる仕事”にするために
  5. まとめ
 

憧れの人に、ようやく会えた日

「いつか絶対にご挨拶したい…!」

そう思い続けて3年。イベントで何度もすれ違っては、タイミングを逃し続けていたミルカウ姐。

でもついに、業界フォーラムの懇親会でそのチャンスがやってきたんです!

「太郎さん、今度…牧場に伺ってもいいですかっ!?」

「もちろん、いいよ〜」って、笑顔で返してくれた太郎さん。

その瞬間、心の中でガッツポーズしたのは言うまでもありません。

そして迎えた訪問当日。

国道のバス停から歩いて10分かからないところにあります

春の陽気に包まれた4月上旬、最寄り駅からバスに揺られて、牧場までの道のりをテクテク歩きます。

これから会いに行く太郎さんは、酪農乳業の界隈では知らない人はいないのでは、と思うほど、結構な有名人なんです。

酪農やミルクのイベントに牛さんを連れてきて子どもたちに酪農のことを伝えたり、近所の小学生に牧場見学を開催したり、小学校に牛さんを連れて行ったり、いろいろなことをされていらっしゃるんです。

「やっと来れた…!」って、この時点で、もうすでに胸アツです。

 

地域環境で資源循環する、サステナブル酪農

牧場に着いてまず案内いただいたのは、牛舎。

そこには、朝ごはんを食べ終えてのんびりくつろぐ母牛さんたちと、まだ2〜3ヶ月の仔牛たちが。

くつろぐ母牛さんたち
仔牛たち、かわいいいいい

もうね、かわいすぎて「かわいい~~~」しか出てこない。

でも、加茂牧場は、“かわいい”だけじゃないんです。

たとえば「エコフィード」って知ってますか?

近隣の食品工場で出る”人には食べられない部分”――パイナップルの皮とか、ビールの搾りかすとか――を、牛さんの”ごはん”にしちゃうんです。

食品残渣を牛さんの”ごはん”にする「エコフィード」は、このバッグに詰まっています

それから、牛さんの糞尿から堆肥を作って牛さんの"ごはん”になるトウモロコシ(デントコーンって言います)を育てたり、地域の畑に使ってもらったり。

牛さんを育てていれば発生する糞尿を基に、牧場内で良質な堆肥を作る

つまり、地域の環境で資源を“循環”してるんです。

これ、めちゃくちゃサステナブルじゃないですか?

牛さんたちの命を支える仕組みが、ちゃんと地域環境につながっているんです。

 

教員から酪農家へ。“育てる”という共通点

太郎さん、実はもともと小学校の先生だったんです。

20年間も教壇に立って、子どもたちと向き合ってきた人。

でも、奥さんの実家である加茂牧場を継ぐことになったのは、義父の怪我がきっかけだそうです。

「この酪農を絶やしたくない」っていう想いから、酪農家への転身を決意。

太郎さん子どもを育てる先生も、牛を育てる酪農家も、“生き物を丁寧に育てる”っていう点では同じなんだよね。

この言葉、めちゃくちゃ刺さりました。

教育と酪農、一見まったく違うようで、実は根っこは一緒なんだなって。

しかも、酪農って日本ではまだ歴史が浅いから、やればやるほど新しい発見があるんですって。

「知れば知るほど面白い」「工夫の余地がある」って、すごい深~~~い世界

太郎さんの話を聞いてたら、「酪農って、ホントめちゃくちゃ面白そう」って、もっと酪農のことを知りたくなりました。

 

酪農を“続けられる仕事”にするために

加茂 太郎さん 「やってみたいなと思った人が、入って来やすい仕組みを作りたい」

「酪農って、やってみたいけどハードル高そう…」

そんなイメージ、ありますよね?

太郎さんは、「そのイメージを変えたかった」と言います。

そのために、給与体系や組織体制を整えて、他業種から転職してくる人も安心して働けるようにしたんです。

さらにすごいのが、後継者のいない農地を支部として加茂牧場に組み込んで、「農場長」っていうキャリアパスを用意したこと。

つまり、「自分で考えて農業をやりたい!」って人にも、ちゃんと道が用意されているんです。

しかも、加茂牧場は都市近郊にあるから、プライベートも充実させやすい環境です。

「休日もあるし、買い物もできるし、プライベートの時間も確保できる」って、めっちゃ現代的じゃないですか?

そして、子どもたちへの積極的な教育活動も。

「酪農教育ファーム」として牧場に子どもたちの見学を受け入れていたり、「わくわくモーモースクール」で学校の出前授業に牛さんを連れて行ったり。

子どもたちに「命の大切さ」「食のありがたさ」を伝える場を積極的に作っています。

※わくわくモーモースクール:小学生を主な対象として、学校に乳牛を連れていくなどして子どもたちが酪農体験や酪農のことを学ぶ時間を設ける活動です。食に興味を持ってもらい、命をいただく尊さを学んで、 酪農や牛乳・乳製品の理解を深めることを目的とした活動で、関連団体を中心に全国各地で開催されています。

これから大きくなっていく子どもたちに酪農の重要性を知ってもらって、未来に残すための活動です。

 

まとめ

太郎さん人が喜んでくれることが好き。だから、「わくわくモーモースクール」のような、子どもたちが喜んだりしてくれること。それからスタッフが喜んで、幸せに働いてくれることかな。

酪農を営んでいるなかで、どんなことにやりがいを感じますか?と聞いてみたところ、

ちょっと悩むように間をおいてから、まるで今まさにその幸せを感じているかのように答えてくれたんです。

これを聞いていたミルカウ姐は、感動と、リスペクトと、太郎さんの元で働いている方々へのうらやましさに、胸がいっぱいになって、ちょっとウルっとしてしまいました。

「大切に育てた牛さんは、とってもおとなしいんだよ」と太郎さん

「牛と酪農の未来のために」

加茂牧場にかかげられた太郎さんの想い。

その想いは行動となり、未来へとつながる仕組みに進化していました。

太郎さんの言葉と行動には、酪農の可能性と社会とのつながりがぎゅっと詰まっています。

牛と人と地域がつながって、それが未来につながっていく。

やさしくて、かっこいい酪農がここにあります。

あなたも、ちょっとだけ酪農をのぞいてみませんか?


【今回訪れた場所】
加茂牧場(千葉県八千代市米本1771)
🌐加茂牧場Webサイト


次はどの牧場に話しを聞こうかな?

「来て来て~」って酪農家さん、ぜひ👇以下からご連絡ください~

ミルカウ姐、首を長くしてお待ちしております!✉

本日はこのあたりで!

Good Luck Know(ぐっどらっくのう / good 酪農)!

前の記事へ

協力ライター紹介:株式会社須藤牧場 農場部長 原さん

次の記事へ

【生乳生産本州一のまち】牛さんへの愛があふれる、酪農のまちの玄関口「那須塩原駅」