【かがやく人3】「❝お客さまにとって本当に良いこと❞をご提案したい」!伊藤忠飼料株式会社 阿久津さん
酪農乳業の世界でかがやいている人にお話しを聞くシリーズ5回目。
今回は、伊藤忠飼料株式会社の予防衛生チームで働く阿久津(あくつ)さんの、かがやく姿にクローズアップ!
- 今回のクローズアップは、子牛たちの予防衛生に活躍の方!
- どんなお仕事をされてるんですか?
- この業界に入ったきっかけは?
- お仕事で大事にしていること、やりがいを感じることはなんですか?
- 将来のこと
- まとめ
今回のクローズアップは、子牛たちの予防衛生に活躍の方!
酪農乳業の世界でかがやいている人を紹介するシリーズ 第5回。
今回は、栃木県那須塩原市にある伊藤忠飼料株式会社の預託育成事業を支える、予防衛生のお仕事をしている阿久津(あくつ)さん。
そのかがやく姿を、編集長ミルカウ姐がクローズアップ!
阿久津さんは、この業界に入ってなんと30年以上!
産業動物の獣医師※1さん、つまり、牛や豚など、大きな動物も診察したり治療したりするお医者さんの資格をお持ちです。
※1 産業動物の獣医師:獣医師資格は1つですが、大学で詳しく勉強したり、卒業後に就職した分野が、産業として扱われる動物を診察・治療(診療)するものだった場合をいいます
大きな動物のお医者さんというと、今でこそ女性も多く活躍しているお仕事ですが、30年以上前ともなると、女性の活躍はまだ珍しかった時代。
「大きな動物のお医者さんになりたい」と思ったそのきっかけは何だったのかな?
「予防衛生」という今のお仕事には、お医者さんの資格はどう活かされているのかな?
そんなお話しを、ご活躍中の伊藤忠飼料 預託事業の”ほ乳”牛舎にお邪魔して、早速聞いてみましょう~!

伊藤忠飼料株式会社 預託事業に関する記事はこちらから!
【子牛預託】カワイイ子牛の保育園!伊藤忠飼料さんに行ってみた
どんなお仕事をされてるんですか?
伊藤忠飼料さんの預託事業は、酪農家さんから小さな子牛を預かっている保育園です。
阿久津さんは、預託事業をサポートする「予防衛生チーム」のご所属とのこと。
ミルカウ姐予防衛生チームでは、どんなお仕事をされているのですか?
阿久津さん今は、動物の健康を血液検査で確認したり、病気になっていないかを抗体検査したり、病気の原因を調べることを行っています
通常、「預託事業」というと、少し大きくなった子牛たち、人間で例えれば小学生頃から高校生くらいの子牛たちを預かることが多いのですが、伊藤忠飼料さんでは、小学生より前の、産まれてすぐくらいからの、小さな子牛を預かって育てています。
そのくらいの子牛たちは、まだ病気になりやすかったりするので健康管理には気が抜けません。
そこで阿久津さんの出番というわけですね!
獣医師という知識をベースに検査結果を見てくれるので、子牛たちの健康をしっかり見守れる、安心の保育園というわけなんです!
この業界に入ったきっかけは?
ミルカウ姐元々、この業界には、どういうきっかけで入られたのですか?
阿久津さん実は、実家が栃木の酪農家で…
なんと・・・!
ミルカウ姐、嬉しい気持ちがMAXです!
阿久津さん牛には小さい頃から自然に接していたので、大きな動物に関わる仕事がしたいなと思って、獣医師になる道に進んだんです
なるほど・・・・!
ご実家で酪農をやっていれば、牛は家族の一員。
家族みんなのチカラになれるよう、獣医師を目指されたのですね。
ミルカウ姐もう30年以上前に獣医師になられたということですが、大きな動物のお医者さんに女性は少なかったんじゃないでしょうか?
阿久津さんそうですね、女性は少なかったですし、大きな動物というくくりだと、獣医師資格を持った人は公務員や公共団体へ進むことが多くて・・・
阿久津さん当時は、「この仕事は女性にはなぁ…」みたいに言われることもありましたね・・・
今でこそジェンダーレス※2の考え方が定着してきて、新しく獣医師になる人の男女比は約半々ですが、30年以上前は約7割が男性※3でした。
※2 ジェンダーレス:「男の子だからこうしなきゃ」「女の子だからこうしなきゃ」という考え方をなくして、みんなが自分らしくいられることを大切にする考え方のこと
※3 当時は約7割:参考)農林水産省 獣医事をめぐる情勢(令和7年6月)
現在でも獣医師の中で産業動物を対象とする人は約2割とのことですから、女性で産業動物をメインにした人は当時、かなり少なかったに違いありません。
そんな状況下でも変わらずに続けてこられた阿久津さん、本当に素敵です!

ミルカウ姐伊藤忠飼料さんに入られてからは、どういったお仕事をされてきたんですか?
阿久津さん最初は研究所で新技術を開発するチームに配属されて、豚の繁殖に関わることだったり、技術開発などをやっていました
阿久津さんそのあと、名古屋にあった検査に関わる部門が研究所と統合されて、予防衛生チームが立ち上がったんです
阿久津さんそこから、動物の健康や病気に関わる検査を行うようになりました
阿久津さん当初は会社としては牛が少なく、豚や鶏の方がメインだったので、気持ち的にはしんどいと感じる時期もありました
元々、牛の仕事がやりたくて獣医師になった阿久津さん。
やりたかった仕事とは違う業務をやらなければならかったことについては、やはり葛藤もあったそうです。
阿久津さんでも、やってみると面白いという部分もありましたし、いろいろなことが勉強できたので、続けてこれたのかなとも思います
どんな時でもポジティブに、周囲の環境を柔軟に受け入れ、前に進まれてきたのですね。
お仕事で大事にしていること、やりがいを感じることはなんですか?
ミルカウ姐お仕事をされるにあたって大事されていることは何でしょうか?
阿久津さんお客さまが「こういう検査をしたい」と言っても、❝なぜその検査をしたいのか?❞、❝本当に必要な検査なのか?❞、❝ほかに必要な検査はないか?❞など確認するようにしています
阿久津さん直接お客さまとお話しができなくても、営業さんを通じて伝えていただいたりなど、極力コミュニケーションを取ることを大事にしています
阿久津さんそうすることで、「真にお客さまが必要としていること」にたどり着いて、お客さまに、よりベストな内容を提案したいなと思っています
スペシャリストとしてご活躍されていることが伝わってきますね!

ミルカウ姐やりがいを感じるのは、どんな時ですか?
阿久津さんやっぱりお客さまと信頼関係が結べたと感じたときですね
阿久津さんお客さまが病気などで悩まれてご相談くださって、それに対して原因究明のお手伝いをするわけなのですが
阿久津さんそのやり取りによってお客さまのお悩みが解決して、「お話しの通りでした!」「こんなに良くなりました!」とあとから言っていただけると、本当に嬉しいですね
阿久津さんの経験や知識、そして何より「お客さまのちからになりたい」と願うお人柄が、お客さまの解決につながっているのですね。
阿久津さん、とっても”かがやいて”いらっしゃいます!!
将来のこと
ミルカウ姐将来の夢を伺ってもよいですか?
阿久津さんやっぱり若い人に、私がやってきたことをつないで行きたいなと思っています
ミルカウ姐今は、どなたか育てていらっしゃるんですか?
阿久津さん今年、新しく女性の獣医師さんが入社されたんです
そう、嬉しそうに教えてくださった阿久津さん。
阿久津さんの「お客さまと動物を大事に育てる姿勢」が、きっと受け継がれていくことでしょう!
ミルカウ姐なにか読者の方にお伝えしたいことなどありますか?
阿久津さん動物を飼養しているみなさんへお伝えしたいことなのですが・・・
阿久津さん動物たちのことを一番知っているのはみなさんで、健康に育てることができるのはみなさんなので、ぜひ自信をもっていただきたいなと思います
阿久津さん私たち獣医師は、みなさん方から聞くお話しが一番参考になるんです
阿久津さん日常の小さな変化でも心に留めていただいて、獣医師にその様子を教えていただくことが一番大切なんです
毎日牛さんに接している酪農家さんなどは、毎日牛さんと接しているからこそ、本当は誰よりもよく知っているのに、それを普通のことと思いがちだそうです。
動物を飼っている方と、飼われている動物の信頼関係は絶大なもの。
その日常の様子を獣医師に伝えてくれることが、本当にお客さまが必要としていることを見つけるための情報なのですね。
まとめ
今回は、栃木県那須塩原市にある伊藤忠飼料の預託事業で予防衛生にかがやいている阿久津さんにお話を伺ってきました!
酪農家で育った阿久津さんですが、子どものころから牛乳が好きで、今でも毎日牛乳を飲まれるそうです。
本当に小さい頃は、おうちの生乳の味に慣れすぎて、市販の牛乳を「水みたい!牛乳じゃない!」とお母さんを困らせてしまうこともあったんだとか。
牛も、牛乳も、酪農も、すべてを大切に思ってらっしゃるんだなということが伝わり、とっても暖かい気持ちになりました!
ぜひ今後も阿久津さんに”かがやいて”いただきたいです!
酪農に携わり❝かがやいている人❞、まだまだたくさんいらっしゃいますよね!
我こそは!(自薦)、この人こそ!(他薦)、インタビューさせていただける方は是非ミルカウ姐まで!
それでは本日はこの辺で~
